サービス・プロバイダーとしての精神を胸に技を磨き続ける 運輸部高津営業所 山口信弘
サービス・プロバイダーとしての精神を胸に技を磨き続ける 運輸部高津営業所 山口信弘

「あいさつが基本」のサービス

「安全・安心」はもとより、「快適」も大切にする。それが東急トランセのサービス・プロバイダーの仕事です。
現在、私は川崎市内の4路線と、二子玉川から渋谷を結ぶ路線の合計5路線を乗務しています。各路線とも、さまざまな特徴があり、通勤通学のお客さまが多い午前中や、お買い物のお客さまの多い昼から夕方にかけてなど、同じ路線でも時間帯により多彩な表情をみせます。その特徴を把握して乗務することは、とても大変なことですが、やりがいでもあります。
加えて、東急トランセではお客さまへのサービスも大事にしているため、運転技術とともに、接遇力も高めていく必要があります。私の所属する高津営業所には、教育センターが併設されており、そこでは一人前のサービス・プロバイダーになるための運転技術、接遇を基礎から学ぶことができます。最初は、「かしこまりました」などの丁寧な言い回しや振る舞いに気恥ずかしさを覚えましたが、同期とともに取り組むことで、運転技術とともに接遇も高めることができ、東急トランセの「サービス・プロバイダー精神」を培うことができたと思います。
私が仕事で心掛けていることは、「あいさつ」です。バスは鉄道や飛行機と異なり、お客さまと近い場所で、同じ空間を共有する乗り物ということが特徴です。「こんにちは」「ありがとうございました」などの声を直接お客さまにお届けすることで、お客さまも気軽に私たちに声を掛けていただけるようになるのだと思います。お客さまにとって「より身近なバス」になるためには「あいさつが基本」という初心を忘れないようにしようと思っています。

父の教え

私の父は、30年以上東急バスの乗務員として働いていました。大きなバスを運転する父の背中を見て育ったこともあり、「いつかバスの乗務員に」というのは、幼い頃からの夢でした。しかし、当時は高校新卒採用でバス乗務員を目指せる進路がなく、大型二種免許を取得できるようになるまで他の仕事をする必要がありました。そんな私への父からの言葉は、「バス乗務員になりたいのなら、まずは運転技術が基本。バス以外の運転の仕事を経験してこい」というものでした。そこで、大型車で経験を積むために配送会社に就職し、トラックの運転手として社会人人生をスタートさせました。今になってみれば、運転技術面はもとより、「仕事として運転する」ということへの意識を高めるために、非常に意味深い経験だったと思います。
実のところ、バス乗務員は、「トラックと違い荷物の積み卸しもないし、比較的楽に働けるんじゃないか」と思っていました。しかし、当たり前のことですが、お客さまを安全、快適に目的地までお送りするということは、ブレーキの掛け方や停留所への停め方など、多くの点に気を配る必要があります。もちろんトラックの運転もお客さまの荷物なので気を遣いますが、バスの場合、お客さまという「人」に気を配らなければならないため、より細やかな運転操作をしなければならないと実感しました。父の言葉は、基礎的な運転技術を習得するとともに、周囲の状況に気を配ることなどの基本に気付かせるためだったのではないかと思います。
バス乗務員の仕事は、一律に同じと思われるかもしれません。しかし、だからこそ乗務員それぞれの個性が如実に出るのだと感じています。まだまだ父のキャリアや背中には追いつきませんが、自分なりに父を越える働きができる日が来るようになればというのが、今の目標です。

COLUMN一瞬でわかる「プロの仕事」
乗務中は同じ路線を走る同僚のバスと度々すれ違います。安全確認の仕方や、停車の方法など、交差するわずかの時間ではありますが、同僚の「職人技」とも言うべき運転技術を目の当たりにして感心することがしばしばあります。とくに、視野を広くもって安全確認を行っている乗務員は総じて運転技術が高いと感じますし、後輩であっても「見習わないと」と思うことが多くあります。
私はもうじき入社から10年になろうとしており、後輩の指導をする機会も多くなりました。それぞれが持つ個性を活かして、長所を伸ばし、バス乗務員として独り立ちさせたいとの思いで指導しています。私も含めて、東急トランセの乗務員は、前職でさまざまな仕事を経験してきているので、それぞれの個性を発揮しながら、今後も切磋琢磨していければと考えています。

運輸部高津営業所

山口信弘NOBUHIRO YAMAGUCHI

川崎生まれの横浜育ち。東急バスで乗務員をしていた父の背中に憧れ、早くから同じ道を志していた。東急トランセには結婚を機に転職。「健康で定年まで勤めあげる」という目標を達成するため、最近は晩酌を控えたり食事に気を配ったりと、生活習慣改善を意識している。休日には妻・子どもとともにウォーキングをするのが楽しみだという。

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